腸管出血性大腸菌O157

私たち人間・家畜の長にはたくさんの菌が住み着いています。大腸菌もその一つ。多くの大腸菌は無害なのですが、このうち急性の腸炎や下痢などを起こすものも存在し、これを病原大腸菌と言います。とくに毒性の強い感染症の原因となるのが腸管出血性大腸菌O157です。

腸管出血性大腸菌O157は集団食中毒の原因となる事もしばしばで、乳幼児や学童、高齢者や免疫力が低下している人には単なる下痢だけに留まらず重症化するケースもあります。最悪の場合命にかかわるという事も。

本検査の検査方法としては、便から菌を培養して調べる方法と大腸菌O157が作り出しているベロ毒素を検出するベロトキシン法というのがあります。これらの検査で陽性であれば、O157に感染していると考えられます。

血清型の検査で大腸菌を分類して、大腸菌O157かそれ以外かを調べる事も可能です。なお、便検査で菌を検出できるのは下痢が始まってから4~5日ごろ。それ以降では検出が難しくなり、血清抗体価検査によって診断していきます。